用語集

橋梁形式~コンクリート~

(1)断面形状による分類

床版橋

床版橋とは、2方向に広がりをもち、相対する2辺が支持され、他の2辺が自由な版構造の橋である。版厚が薄く、版自重があまり大きくならない範囲で単純支間に換算して25m程度以下の比較的小支間の橋に採用されるのが一般的である。版厚が薄いことから、桁高さが制約されるような場所に適した構造であり、一般橋梁部においても、単純な構造で、施工性に優れ、支間長や橋脚構造の工夫によっては、スレンダーで軽快な感じを与える。一般的な呼び方として「中空床版」、「ホロー」、「ホロースラブ」とも言う。

T桁橋

T形断面をした主桁2本以上からなり、プレストレストコンクリートもしくは鉄筋コンクリートが用いられるが、現在は、プレストレストコンクリート構造が通常用いられる。PCのT桁橋は、T桁を複数配置し、上フランジ間及び横桁部に場所打ちコンクリートを打設し、横締めによって一体構造とすることが多い。

箱桁橋

上フランジ、下フランジ及び2本以上のウェブから構成された箱形断面の桁橋である。上フランジ、下フランジの占める断面積が大きいので主桁としての曲げモーメントによる大きな圧縮応力に抵抗できることや、補強鋼材等を多量に配置できること、ねじり剛性が大きいので活荷重に対する荷重分配が良好なこと等の断面の特性を利用して、連続桁橋、ラーメン橋、斜張橋等の長大橋、及び幅員の大きい場合や、曲線橋の場合等に数多く採用されている。

合成桁橋

一般にPC桁と、RC又はPCによる床版を所要のずれ止めによって結合することにより、荷重に対し床版と桁を一体化した合成断面で抵抗するものである。桁と床版が一体となって荷重に対抗する。ずれ止めには、一般に、桁から突出した鉄筋を床版に埋め込む形式が用いられ、結合面に垂直に配置される。

​(2)構図お形状による分類

単純桁橋

両桁端を支承によって単純支持させた、最も基本的な形式である。

連続桁橋

連続桁橋は、桁が2径間以上にわたって連続し、かつ支承により支持されているものである。
連続桁橋は、同一支間の単純桁橋よりも曲げモーメントの最大値が小さくなり、同一桁高の単純桁橋より支間を長くすることが可能となる。又、耐震性にも優れ、伸縮装置の減少から走行性や維持管理に有利な構造といえる。

ラーメン橋

桁と柱が剛結された構造である。上部構造が一体となるので、支承が不要となり、水平部材のモーメントを一部鉛直部材にも負担させることができるので、桁高を低くできる。又、多径間の橋りょうでは、地震時水平力を各橋脚に分散できるので、連続桁橋に比べて有利となることがある。又、温度、乾燥収縮、クリープ、基礎の不等沈下等による影響が大きくなる場合がある。RC構造としては、連続橋、PC橋としては、有ヒンジ、連続、T型、V脚、方杖、ピルツ式等がある。

アーチ橋

古くから施工されており、圧縮に強いコンクリート橋としては、最も合理的な形式である。支持条件により、固定アーチ、2ヒンジアーチ、3ヒンジアーチ、タイドアーチ等に分類される。アーチ基礎には、大きな軸力が作用するので、他の形式よりも堅固な支持層のあることが必要である。

斜張橋

塔から高強度のケーブルで主桁を斜めに吊り下げる橋りょう形式である。このうち圧縮力が支配的となる塔に鉄筋コンクリート、桁にプレストレストコンクリートを使用したものがPC斜張橋である。

~プレストレストコンクリートの概要~

プレストレスコンクリートは、圧縮力には強いが引張力に極めて弱いコンクリートに対して、引張応力が生じる部分にあらかじめ計画的に圧縮応力を与え、引張応力をうち消すことにより、部材の全断面を有効に機能することとした構造物である。

橋梁形式~鋼~

桁構造(girder structure)

一本またはそれ以上の棒を適当に支持して,曲げに対する抵抗により荷重を支える構造をいう。部材としては,直線部材を用いるのが普通で,その支持方法により単純,片持ち,張出し,固定,連続およびゲルバーの各形式がある。

桁橋(girder bridge)

木製,鉄筋コンクリート製,鋼製,プレストレストコンクリート製などの主桁を並べて構成した橋梁を桁橋という。

単純橋(simple bridge)

主桁または主構(トラス)の両端が,単純ばり(simple beam:一本の部材が二つの支点で支えられ,その一方がヒンジ支点,他端が可動支点のはり)の支承で支えられた橋梁をいう。

鋼桁橋(steel beam bridge)

鋼桁を主構造とする橋梁をいう。この構造では,トラスやアーチと異なり,主桁が曲げモーメントとせん断力を受け持つ。桁の構造によって,I 形桁,H 形桁,鈑桁(プレートガーダー),格子桁,箱型桁に分類される。

鈑桁(プレートガーダー)橋(plate girder bridge)

鋼板を組み合わせて作った I 形の桁を主桁として使用した鋼桁橋梁をいう。この構造は,自重が小さく,工期が比較的短いという特徴がある。

I 形桁橋梁( I -beam bridge)

道路橋では支間 12m,鉄道橋では 7mくらいまでの小支間の場合に使用される。最近は H 形鋼を用いることが多い。主桁に I 形鋼を用いた鋼桁の橋梁である。鋼桁橋として最も簡易な構造の橋梁である。

トラフ桁(trough girder)

鉄道橋において,桁の高さが制限される場合に,一本のレールに対して 2本の I 形鋼を用い,その I 形鋼の間でレールを支える構造にした桁である。

ゲルバー橋(Gerber bridge, cantilever bridge)

連続橋の主桁の途中にヒンジを設けて静定構造とした橋梁である。地盤沈下の想定される都市部に広く用いられている。

鋼床版桁橋(beam bridge with plate floor)

箱形桁橋は,ねじれに強いので,大支間の橋に使用されるが,質量が大きくなる。そこで,支荷重を軽減するため,鉄筋コンクリートスラブの代わりに鋼床版を用いた橋梁である。鋼床版は箱型桁の上フランジに供用し,補剛リブで補強する。

橋梁部材

主桁(main girder)

橋梁の死荷重,活荷重を橋台,橋脚などの下部構造に伝える橋の主要な構造部位である。

腹板(web plate)

プレートガーダーの上下のフランジを結合し,腹部を形成する板で,主としてせん断力に抵抗する。

縦桁(stringer)

主構または主桁を連結する横桁上に置く桁。床版の荷重を,縦桁→横桁→主桁と分散して伝える。

横桁(cross beam)

橋軸に対して横方向に設けられた桁で,縦桁の荷重を主桁に伝達する。

フランジ(flange)

一般には,部材から張り出した形状の部分の総称である。H形鋼,I形鋼,プレートガーダーなどの断面の上下の頭部の出っ張り,管の継手部の出っ張りなどを示す。桁の場合,フランジは曲げモーメントに,ウェブはせん断力に抵抗する。​

横構(lateral bracing)

風荷重,地震荷重などの横方向の荷重に抵抗するために,主桁間を連結するように配置された部材。

上横構(upper lateral bracing)

主桁や主構の相互の位置を保ち,地震荷重,風荷重などの横荷重に抵抗するために連結する部材。一般には,山形鋼などをトラス形に組み,ガセットを介して主桁の上フランジに接合する。

下横構(lower lateral bracing)

主桁や主構の相互の位置を保ち,地震荷重,風荷重などの横荷重に抵抗するために連結する部材。一般には,山形鋼などをトラス形に組み,ガセットを介して主桁の下フランジに接合する。

対傾構(sway bracing)

地震荷重,風荷重などの横荷重による主桁のねじれを防ぐために,桁間を結ぶ構造。上路橋の両端のものを端対傾構(end sway bracing),中間部のものを中間対傾構とよぶ。一般には,山形鋼などを溶接,ボルト又はリベットを用いてガセットを介して主桁の補剛材に接合される。

ガセット(gusset plate)

接合部に集まる部材を連結接合する補強用鋼板。一般に,ガセットは,連結に必要な最小限度の大きさとし,ボルト(リベット)又は溶接により部材を接合する。

スカラップ(scallop)

部材を溶接する際に,溶接継目の重なりを防ぐ目的で設けられた円弧状の切り込みをいう。

ニーブレース(knee brace)

直角またはこれに近い角度で接合される水平材,又は横桁などの隅の部分を補強するために用いる斜めに取り付けられる補強材をいう。

床版(deck, slab, deck slab)

橋の一部分で、荷重(車や電車)が直接かかる床にあたる箇所のこと。

橋脚(wall,beam,cross)

連続桁のような2径間以上の構造の橋を支えている足のこと。

橋台(parapet wall, wing wall)

橋梁の上部構造の荷重を土台にして伝える橋梁の足に該当する下部構造の一つ。

支承(shoe,bearing,anchor bolt, mortar,concrete)

支承は、橋梁上下部構造間に作用する荷重を伝達する部材です。上下部構造の接点である支承は、上部構造の死荷重や活荷重などの鉛直荷重を、確実に下部構造に伝達するとともに、地震や風などによる橋軸方向および橋軸直角方向のそれぞれの水平荷重も全て支承を通じて伝達されます。また、上部構造の温度変化による伸縮や活荷重たわみによる回転変位、地震時の変位に対しても確実に追随できる必要がある。

高欄(guard fence)

橋または建物の外縁などに縦横に材をわたして,人の墜落を防ぐ手すりで,装飾を兼ねるものもある。

伸縮装置(expansion joint)

伸縮装置とは橋梁の路面端部に設置されるもので、気温の変化による橋梁の伸縮、地震時および車両の通行にともなう橋梁の変形を吸収し、自動車や人が支障なく通行できるようにするものです。

調査の種類

通常点検

通常点検は,通常巡回として日常の道路巡回時に道路パトロールカー内から橋梁の異常を発見する目的で道路巡回実施要領(案)に従って実施される。 道路巡回実施要領(案)は,「直轄維持修繕実施要領」(昭和33年6月,最終改正昭和37年10月)に基づき,各地方整備局等が道路巡回のために定めた要領(案)である。 具体的な道路巡回は,各地方整備局に任されているが,概ね 2 日に 1 回のパトロールカーによる巡回調査と年に 1 回の徒歩巡回による調査が実施されている。従って,構造物においては,移動しながら発見できるほどの重大な損傷(鉄道では変状という)の発見に限られるため,次に説明する定期点検や中間点検が主要な点検といえる。 例えば,中部地方整備局の平成22年度「道路維持管理方針(案)」によると次のように規定されている。
(1) 道路巡回は,道路を常時良好な状態に保つため,道路全般の状態及び利用状況をパトロールカーなどからの目視により確認するとともに,道路の異状や損傷,障害物等の危険要因を早期に発見・除去し,道路の保全に努めるための情報収集や処理を実施する。
(2) 道路巡回は,原則として 2 日に 1 回の頻度で実施する。また,1 年に 1 回,徒歩で道路施設(橋梁,トンネルなど)の状況を確認する。なお,豪雨や地震発生等の異常時においては,利用者の安全確保のための巡回を実施する。

定期点検

定期点検は,橋梁に係る維持管理を効率的に行うために必要な記録を得ることを目的に 5 年に 1 回実施する。実施は,国土交通省で定める「点検要領」に従って実施される。 しかし,橋梁の下を道路や鉄道が交差する場合,駐車場や歩道などに利用されている場合は,「橋梁における第三者被害予防措置要領(案)」に基づき 2~3年に 1 回実施される。 定期点検の詳細に関しては,別に解説する。

中間点検

中間点検は,事故や火災などによる不測の損傷の発見や,損傷の急激な進展などにより直近に行われた定期点検時の状態と著しい相違が生じている箇所がないことを概略確認するために目視を基本として行うもので,定期点検の中間年( 2.5 年目)に実施し定期点検を補うものである。 特に,定期点検の結果,進行性の損傷が疑われた場合や補修等の効果の確認が必要な場合など継続的な観察が必要と判定された橋梁に対しては適切な時期に実施する必要がある。

特定点検

特定点検は,定期点検とは別に,特定の事象に着目して予防保全的な観点などから実施される点検で,主にコンクリート構造物で実施される。 例えば,塩害が懸念される地域にあっては,塩害に対する予防保全の観点から定期点検とは別に定期的な調査を行って塩害の進行状況を把握しておき,適切な時期に補修等の対策が行えるようにする。塩害に対する点検は「コンクリート橋の塩害に関する特定点検要領(案)」による。

異常時点検

詳細調査は,補修等の必要性の判定や補修等の方法を決定するため,損傷原因や損傷の程度をより詳細に把握する目的で実施するものであり,損傷の種類に応じて適切な方法で行うことになっている。 例えば,鋼製橋脚隅角部に生じた亀裂に対する詳細調査では,表面の亀裂の状態を調査する以外に,必要に応じて開先形状や内部亀裂の状態を明らかにするための非破壊調査や発生応力の測定など広範な調査が行われる。 詳細点検で実施される非破壊検査方法の特徴を次に示す。 ​

・超音波板厚測定
本方法では,金属,非金属及び超音波を透過させる材料に関し,超音波により共振を起こして厚さを測定ができる。測定が・容易で使用実績が多数あり,信頼できる方法の一つである。
問題点として,記録保存が困難なこと,厚い塗膜がある場合には精度が低くなることが挙げられる。

・渦流探傷試験
本方法は,渦電流を測定物に与え表面の渦電流の変化を検出する方法で,導電材料の表面および表層部の欠陥(特に亀裂)の検出に有効である。測定速度が速く経済的である。
問題点として,形状が単純なものでないと適用しにくい,内部欠陥は検出できない。内部欠陥以外の材料的な要因の影響を受ける。測定に熟練を要するなどが挙げられる。

・磁粉探傷試験
磁性材料の表面または橋面付近の亀裂に磁力線の乱れが生じ,それに沿って付着した磁性粉を観察することで亀裂などの欠陥の検出ができる容易な方法である。
問題点としては,鉄鋼などの磁性材料のみに適用可能であること,内部の損傷は計測できないこと,亀裂の深さは測定できないことが挙げられる。

・超音波探傷試験
超音波パルスを与え,その反射を計測することで。超音波を透過させる材料の亀裂等の欠陥の検出,その位置の判別も可能となる。材料の厚さの制限が少ない,持ち運びが容易,使用実績が多く経済的な方法である。
問題点としては,記録の保存が困難,測定に熟練を要する,損傷の形状種類の把握は困難,塗膜が厚いと精度が悪くなるなどが挙げられる。

・浸透探傷試験
金属及び非金属の亀裂検査に古くから用いられる方法で,亀裂に浸透した薬液を現像することで,目視観察,写真記録ができる。作業能率が良く材料を選ばない方法である。
問題点としては,表面の亀裂に限定されること,表面が粗い場合,多孔質の材料には適用できないなどが挙げられる。

・超音波探傷試験
高力ボルト F11T などの損傷(遅れ破壊につながる亀裂など)を超音波の反射時間より調べる方法である。亀裂の大きさや位置により結果がばらつく。

追跡調査

追跡調査は,詳細調査などの結果,鋼部材の亀裂,コンクリート部材のひびわれ,下部工の沈下,移動,傾斜,洗掘など進行の恐れのある損傷や異常が発見された場合に,その進行状況を把握する目的で実施するものである。

損傷の種類

腐食

腐食は,(塗装やメッキなどによる防食措置が施された)普通鋼材では集中的に錆が発生して いる状態,又は錆が極度に進行し板厚減少や断面欠損(以下「板厚減少等」という。)が生じて いる状態をいう。耐候性鋼材の場合には,保護性錆が形成されず異常な錆が生じている場合や, 極度な錆の進行により板厚減少等が著しい状態をいう。

亀裂

鋼材に生じた亀裂である。鋼材の亀裂は,応力集中が生じやすい部材の断面急変部や溶接接合 部などに多く現れる。亀裂は鋼材内部に生じる場合もあり,この場合は外観性状からだけでは検出不可能である。 亀裂の大半は極めて小さく,溶接線近傍のように表面性状がなめらかでない場合には,表面き ずや錆等による凹凸の陰影との見分けがつきにくいことがある。なお,塗装がある場合に表面に 開口した亀裂は,塗膜われを伴うことが多い。 ​

ゆるみ・脱落

ボルトにゆるみが生じたり,ナットやボルトが脱落している状態をいう。ボルトが折損してい るものも含む。

破断

鋼部材が完全に破断しているか,破断しているとみなせる程度に断裂している状態をいう。

防食機能の劣化

鋼部材を対象として,分類1においては防食塗膜の劣化,分類2においては防食皮膜の劣化に より,変色,ひびわれ,ふくれ,はがれ等が生じている状態をいう。

ひびわれ

コンクリート部材の表面にひびわれが生じている状態をいう。

剥離・鉄筋露出

コンクリート部材の表面が剥離している状態を剥離,剥離部で鉄筋が露出している場合を鉄筋 露出という。

漏水・遊離石灰

コンクリートの打継目やひびわれ部等から,水や石灰分の滲出や漏出が生じている状態をいう。

抜け落ち

コンクリート床版(間詰めコンクリートを含む。)からコンクリート塊が抜け落ちることをい う。 床版の場合には,亀甲状のひびわれを伴うことが多い。 間詰めコンクリートや張り出し部のコンクリートでは,周囲に顕著なひびわれを伴うことなく 鋼材間でコンクリート塊が抜け落ちることもある。

補修・補強材の損傷

鋼板,炭素繊維シート,ガラスクロスなどのコンクリート部材表面に設置された補修・補強材 料や塗装などの被覆材料に,うき,変形,剥離などの損傷が生じた状態をいう。 また,鋼部材に設置された鋼板(あて板等)による補修・補強材料に,腐食等の損傷が生じた 状態をいう。

床版ひびわれ

鋼橋のコンクリート床版を対象としたひびわれであり,床版下面に一方向又は二方向のひびわ れが生じている状態をいう。

うき

コンクリート部材の表面付近がういた状態をいう。

遊間の異常

遊桁同士の間隔に異常が生じている状態をいう。桁と桁,桁と橋台の遊間が異常に広いか,遊間 がなく接触しているなどで確認できる他,支承の異常な変形,伸縮装置やパラペットの損傷など で確認できる場合がある。

路面の凹凸

衝撃力を増加させる要因となる路面に生じる橋軸方向の凹凸や段差をいう。

舗装の異常

舗装の異常とは,コンクリート床版の上面損傷(床版上面のコンクリートの土砂化,泥状化) や鋼床版の損傷(デッキプレートの亀裂,ボルト接合部)が主な原因となり,舗装のうきやポッ トホール等として現出する状態をいう。

支承部の機能障害

当該支承の有すべき荷重支持や変位追随などの一部又は全ての機能が損なわれている状態をいう。

その他

例えば,鳥のふん害,落 書き,橋梁の不法占用,火災に起因する各種の損傷などを,「⑰その他」の損傷として扱う。

定着部の異常

PC鋼材の定着部のコンクリートに生じたひびわれから錆汁が認められる状態,又はPC鋼材 の定着部のコンクリートが剥離している状態をいう。 ケーブルの定着部においては,腐食やひびわれなどの損傷が生じている状態をいう。

変色・劣化

コンクリートの変色など部材本来の色が変化する状態,ゴムの硬化,又はプラスチックの劣化 など,部材本来の材質が変化する状態をいう。

漏水・滞水

伸縮装置,排水施設等から雨水などが本来の排水機構によらず漏出している状態や,桁内部, 梁天端,支承部などに雨水が浸入し滞留している状態をいう。

異常な音・振動

通常では発生することのないような異常な音・振動が生じている状態をいう。

異常なたわみ

通常では発生することのないような異常なたわみが生じている状態をいう。

変形・欠損

車の衝突や施工時の当てきず,地震の影響など,その原因にかかわらず,部材が局部的な変形 を生じている状態,又はその一部が欠損している状態をいう。

土砂づまり

排水桝や排水管に土砂が詰まっていたり,支承周辺に土砂が堆積している状態,また,舗装路 肩に土砂が堆積している状態をいう。

沈下・移動・傾斜

下部工又は支承が沈下,移動又は傾斜している状態をいう。

洗掘

基礎周辺の土砂が流水により洗い流され,消失している状態をいう。

損傷の判定

〜​鋼部材〜

1.腐食​
 a:損傷なし
 b:小(深さ)・小(面積)
 c:小(深さ)・大(面積)
 d:大(深さ)・小(面積)
 e:大(深さ)・小(面積)
2.亀裂
 a:損傷なし
 b:ー
 c:塗膜割れ、軽微な亀裂
 d:ー
 e:亀裂が疑われる塗膜割れ、著しい亀裂
3.ゆるみ・脱落
 a:損傷なし
 b:ー
 c:一群当たり5%未満
 d:ー
 e:一群当たり5%以上
4.破断
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり
5.防食機能の劣化(分類番号)
 a:損傷なし
 b:(1)損傷なし、(2)損傷なし、(3)保護性錆未生成
 c:(1)塗膜の変色、(2)皮膜劣化、点錆、(3)耐候性の錆びの大きさが1〜5㎜程度
 d:(1)塗膜剥離、(3)耐候性の錆びの大きさが5〜25㎜程度でうろこ状
 e:(1)劣化範囲大・点錆、(2)劣化範囲大・点錆、(3)錆の層状剥離

〜​コンクリート部材〜

〜RC〜
 a:損傷なし
 b:小(幅)・小(間隔)
 c:小(幅)・大(間隔)
 d:中(幅)・大(間隔)
 e:大(幅)・大(間隔)
※【幅】/小→0.2㎜以下、中→0.2〜0.3㎜、大→0.3㎜以上 【間隔】小→50㎝未満、大→50㎝以上
〜PC〜
 a:損傷なし
 b:小(幅)・小(間隔)
 c:中(幅)・小(間隔)
 d:大(幅)・小(間隔)
 e:大(幅)・大(間隔)
※【幅】/小→0.1㎜以下、中→0.1〜0.2㎜、大→0.2㎜以上 【間隔】小→50㎝未満、大→50㎝以上
7.剥離・鉄筋露出
 a:損傷なし
 b:ー
 c:剥離のみ
 d:鉄筋露出(鉄筋の軽微な腐食)
 e:鉄筋露出(鉄筋の著しい腐食)
8.漏水・遊離石灰
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ひびわれからの漏水のみ
 d:遊離石灰
 e:著しい遊離石灰
9.抜け落ち
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり
11.床版ひびわれ
 a:損傷なし
 b:一方向ひびわれ、間隔1m以上、ひびわれ幅0.05㎜以下
 c:ひびわれ幅が0.1㎜未満、格子状の大きさが0.5m以上、漏水・遊離石灰なし
 d:ひびわれ幅が0.2㎜未満、格子状の大きさが0.5m〜0.2m程度、漏水・遊離石灰なし・あり
 e:ひびわれ幅が0.2㎜以上が目立つ、格子状の大きさが0.2m未満、漏水・遊離石灰なし・あり
12.うき
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり

〜​共通損傷〜

13.遊間の異常
 a:損傷なし
 b:ー
 c:左右の遊間が極端に異なる、又は遊間が橋軸直角方向にずれている
 d:ー
 e:遊間が異常に広く伸縮継手の櫛の歯が完全に離れている。又は,桁とパラペッ トあるいは桁同士が接触している(接触した痕跡がある。)。
14.路面の凹凸
 a:損傷なし
 b:ー
 c:橋軸方向の凹凸が生じており,段差量は小さい(20 ㎜未満)。
 d:ー
 e:橋軸方向の凹凸が生じており,段差量は小さい(20 ㎜以上)。
15.舗装の異常
 a:損傷なし
 b:ー
 c:舗装のひびわれ幅が5mm 程度未満の軽微な損傷がある。
 d:ー
 e:舗装のひびわれ幅が5mm 以上であり,舗装直下の床版上面のコンクリートが土 砂化している,
   又は鋼床版の疲労亀裂により過度のたわみが発生している可能 性がある。
16.支承部の機能障害
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:支承部の機能が損なわれているか,著しく阻害されている可能性のある損傷が 生じている。
17.その他
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり
10.補修・補強材の損傷
 a:損傷なし
 b:ー
 c:補修部の鋼板のうきは発生していないものの,シール部の一部剥離又は錆又は 漏水のいずれかの損傷が
   見られる
 d:ー
 e:次のいずれかの損傷が見られる。
  ・補修部の鋼板のうきが発生している。
  ・シール部分がほとんど剥離し,一部にコンクリートアンカーのうきが見られ,錆及び漏水が著しい。
  ・コンクリートアンカーに腐食が見られる。
  ・一部のコンクリートアンカーに,うきが見られる。
18.定着部の異常
 a:損傷なし
 b:ー
 c:PC鋼材の定着部のコンクリートに損傷が認められる。 又は,ケーブルの定着部に損傷が認められる。
 d:ー
 e:PC鋼材の定着部のコンクリートに著しい損傷がある。 又は,ケーブルの定着部に著しい損傷がある。
19.変色・劣化
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり
20.漏水・滞水
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:伸縮装置,排水桝取付位置などからの漏水,支承付近の滞水,又は箱桁内部の 滞水がある。
21.異常な音・振動
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり
22.異常なたわみ
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり
23.変形・欠損
 a:損傷なし
 b:ー
 c:損傷あり
 d:ー
 e:著しい損傷
24.土砂づまり
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり
25.沈下・移動・傾斜
 a:損傷なし
 b:ー
 c:ー
 d:ー
 e:損傷あり
26.洗掘
 a:損傷なし
 b:ー
 c:損傷あり
 d:ー
 e:著しい損傷

補修補強工法

橋面防水工法

橋面防水工法は、橋面舗装と床版の間に防水層を設け、床版に水が入らないようにする予防保全的な工法です。RC床版に水が浸入すると劣化が著しく促進されますが、床版等の防水を行なえば劣化の進行速度を落とせます。二方向ひび割れが生じているRC床版に水が浸入すると、ひび割れの網細化と角落ちが促進され、床版の陥没までひび割れが進みやすくなります。積雪寒冷地では、床版上面に塩害や凍害などによる劣化が見られることがありますが、これらの劣化も水が存在すると促進されます。

ひび割れ補修工法

ひび割れ補修工は、ひび割れ部に樹脂を塗布、注入、充填して、ひび割れから侵入する水分や塩化物によるコンクリートの劣化や鋼材の腐食を防ぐ補修工法です。 ひび割れの幅やひび割れ部の挙動などにより、表面処理工法、注入工法、充填工法が使い分けられます。

表面保護工法

表面保護工法は、コンクリート表面に被覆材や含浸材を塗ることで劣化因子の侵入を防いで劣化の進行を抑制して耐久性を向上する予防保全的な工法です。

表面被覆工法

表面被覆工法は、コンクリート構造物の表面を樹脂系やポリマーセメント系の材料で被覆して、塩分や炭酸ガスなどの劣化因子の侵入を防ぐ被覆を形成することで、構造物の耐久性を向上する工法です。​

表面含浸工法

面含浸工法は、コンクリート表面に含浸剤を塗布してコンクリート表層部の組織を改質することで耐久性を向上する工法で、主に、撥水型(シラン系)含浸工法と緻密化型(けい酸塩系)含浸工法が用いられています。 施工は一般に1工程で完了し、外観は変わりません。撥水型(シラン系)表面含浸材は、コンクリートの表層部に含浸してコンクリートの水酸基と結合をした疎水基を生成することで撥水層を形成して、コンクリートの外部から供給される水を撥水する一方で、コンクリート内部の水分は外部へ発散できるようになり、外部からの水や塩化物イオンなどの侵入を抑制します。

断面修復工法

面修復工法は、鉄筋の発錆などにより剥離・剥落したコンクリートや、劣化したコンクリートを取り除いた断面欠損部などを、断面修復用のセメントモルタルや樹脂モルタルなどで元の形状寸法に戻す補修工法です。復旧部の大きさなどにより、「左官工法」「モルタル注入工法」「吹付け工法」などが使い分けられます。「左官工法」は、欠損部にモルタルを塗り断面を復旧する工法です。「モルタル注入工法」は、欠損部に型枠を組み立ててモルタルを打ち込んで断面を復旧します。「吹付け工法」は、ポリマーセメントモルタルなどを吹付けて既存の構造物と一体化する工法です。

剥落防止工法

剥落防止工法は、剥落による第三者被害を予防するもので、連続繊維シートやメッシュを接着する工法、耐荷性と延伸性のある塗膜で保護する工法、ネットを設置する工法などがあります。

連続繊維シート接着工法

続繊維シート接着工法は、炭素繊維シートやアラミド繊維シート、ガラス繊維シートなどを鉄筋コンクリートの引張面に樹脂で接着して一体化したり、巻き付けて、曲げ耐力やせん断耐力を向上する補強工法です。 繊維の方向や積層の枚数により補強の度合いを調整します。床版の下面に炭素繊維シートを接着して床版の耐荷力不足を補う補強が多く行なわれており、梁や橋脚に巻き付けて曲げ補強やせん断補強を行なう場合にも用いられます。

鋼板接着工法

鋼板接着工法は、厚さ4.5~6mmの鋼板を鉄筋コンクリートの引張面に樹脂で接着して一体化し、耐荷力を向上させる補強工法です。

床版下面増厚工法

床版下面増厚工法は、床版の下面に補強鉄筋を沿わせ、ポリマーモルタルを吹付けたりコテ塗りをして既設床版と一体化して、床版厚と引張鉄筋を増やして耐荷力を高める補強工法です。

床版上面増厚工法

床板上面増厚工法は、床板上面に鉄筋コンクリートを打ち足して床板厚を増して耐荷力を向上する補強工法です。

増桁架設工法

増桁架設工法は、床版を支持する既存の桁の間に、新たに桁を増設して床版の支間を短くすることにより、床版に作用する曲げモーメントを減少させ床版の耐荷力を向上する補強工法です。 既存の横桁の上に新たに縦桁を増設する縦桁増設工法などが良く行なわれています。

床版打替工法・床版取替工法

床版打替工法や床版取替工法は、破損した床版を部分的にまたは全面的に取り除き、新しい床版に代える工法です。

補修補強工法

橋・装備(着衣等)作業着、ヘルメット、安全帯、安全チョッキ、安全長靴、安全靴、懐中電灯、胴長、作業用革手袋、防塵マスク、保護ゴーグル
・装備(点検、調査機器類)筆記具(野帳、ボールペン、チョーク、看板など)、点検調書などの様式や図面類、地図、鏡、双眼鏡、撮影機器、スケール(鋼製巻尺、コンベックス、ノギス、クラックスケール)、距離計(簡易レーザー測距器など)、下げ振り(傾斜計・水平儀)、水糸、検尺ポール、スタッフ、点検ハンマー、打音棒(打診棒)
・装備(工具類)カッター、小刀、スクレーパ、ワイヤブラシ、ビニールテープ、マーキングスプレー、防錆スプレー、携帯ノコギリ、鎌等(草刈り用具)
・安全対策交通規制用資機材(停車板、パトランプ、点滅棒、ラバーコーンなど)、梯子(縄梯子)、脚立、ロープ
・その他の資機材予備バッテリー、予備メディア類、充電器、電源ケーブル、携帯電話、ラジオ、救急品(絆創膏、包帯など)、酸素濃度計(酸欠となる恐れが想定される箇所での調査が予想される場合)、風速計(高所作業の場合)、熱中症対策キット
・その他の備品ティッシュ(除菌シート・ウエットティッシュ)、雨具、ライフジャケット(船舶への乗船が想定される場合など)、予備燃料、土嚢袋(清掃時のゴミ収集などに利用できる)

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